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2018/2/28【民法という法律の改正について―配偶者居住権って?】

    1. 民法改正の要綱案

    2. 平成30年1月17日で,次のような内容の記事が各紙に掲載されました。「法制審議会の民法部会が,民法改正の要綱案をまとめた。その要綱案は,死別により残された配偶者の保護の強化を狙いとしたものである。要綱案では,配偶者居住権の創設などが盛り込まれている。」というものです。

    3. 配偶者居住権

    4. 要綱案では,現在の法律とは異なる内容が複数取りまとめられています。今回は,そのうち「配偶者居住権」について,お話しします。例えば,夫婦と子1人の家族があり,夫が亡くなったというケースを考えます。夫が残した遺産は,住居3000万円(評価額),預貯金3000万円の合計6000万円であったとします。図を添付しますので,ご参照ください。
       民法では,相続権は,妻1/2,子1/2と定められています。したがって,金額的には,妻3000万円,子3000万円の相続権があることになります。現在の法律では,妻がそのまま住居に住み続けるために,遺産分割において3000万円の住居の所有権を取得したとすると,妻は預貯金を取得することが出来なくなってしまいます。子が3000万円の預貯金を取得します。これでは,妻が高齢である場合には,今後の生活が成り立たなくなってしまうおそれがあります。
       要綱案の「配偶者居住権」が認められるとどうなるでしょうか。配偶者居住権とは,簡単に言えば,住居の所有権がなくても,妻がなくなるまでは住居に住み続けることができる権利です。妻がそのまま住居に住み続けるためには,配偶者居住権さえあればよくなります。ところで,配偶者居住権と住居の所有権の評価額はどうなるのでしょうか。配偶者居住権は,あくまで配偶者が亡くなるまで居住する権利ですから,所有権ではありません。したがって,住居の所有権の評価額が3000万円である場合に,配偶者居住権の評価額は3000万円より低額になると考えられます。一方,住居の所有権の評価額についてですが,配偶者が居住する限りその住居の売買はできなくなりますから,配偶者居住権がある場合の住居の所有権の評価額も,3000万円より低額になります。今回は,配偶者居住権の評価額が1000万円,所有権の評価額が2000万円であると仮定します。この場合,遺産分割において,妻は,評価額1000万円の配偶者居住権を取得し,さらに預貯金2000万円を取得することができるようになるのです。このようにして,妻は,今後の生活を安心して送ることができるようになります。
       現在の法律では,住居に住み続けるために預貯金を取得することができなくなったり,生活の資金を得るために長年住み慣れた住居の取得をあきらめなければならなかったケースがありました。配偶者居住権が認められれば,このようなケースが発生しづらくなると考えられ,配偶者の保護の強化が図られるようになるのです。
    5. 遺産分割について

    6. 遺産分割をどのように進めるか,何を取得すべきかは,今後の生活に影響することがあります。そして,法律改正により,「配偶者居住権」のような新たな権利が創設されることがあり,このことも遺産分割に影響を与えることがあるでしょう。
       何かお悩みがあれば,弁護士にご相談ください。

    (永田)

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