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2018/4/26 【児童の列と車が衝突するも,高裁が無罪判決】

大阪府豊中市で小学生の列に車が突っ込み、6人が重傷を負った事故で、検察側が睡眠導入剤の影響による居眠り運転があったとして、危険運転致傷罪で起訴した女性に対して、「ハンドル操作ミス等の居眠り運転以外の過失の可能性がある」として、検察側の控訴を棄却し、無罪になったという裁判がありました。

過失の内容が、居眠り運転であろうと、ハンドル操作ミスであろうと、被告人が、過失によって、6人もの小学生にケガを負わせたにもかかわらず、無罪になるのは納得できないかもしれません。

旧刑事訴訟法によって運用されていた昔の裁判では、こういったケースでも、検察側が主張していないハンドル操作ミスを認定して、有罪を下すことができるとされていました。裁判所の審判対象は、検察側が主張する事実だけではなく、実際に起きた具体的な歴史的事実だと考えられていましたため、裁判所が、自身の判断に基づいて、検察側が主張していない事実でも審理の過程で明らかになれば認定できるとされていました。

こういった考えでは、窃盗罪で起訴されたにもかかわらす、強盗罪で有罪になることもありえますが、このような事態は被告人の防御の利益を著しく害することになります。

こういった事態にならないため、現行刑事訴訟法では、裁判所の審判対象は、検察官が主張する具体的事実(訴因)であるとされています。本件では、つまり、被告人の過失内容が、居眠り運転かハンドル操作ミスかを特定する必要があります。

そこで、こういったケースで、有罪にするためには訴因変更(検察側が主張する具体的な犯罪事実を変更し、撤回すること)という手続を経る必要があります。本件では、居眠り運転からハンドル操作ミスに訴因を変更する手続を経なければならなかったと考えられます。

検察側の訴因が的確ならば、有罪になっていた可能性が高いので、被害者や親族にとって酷な結果となってしまいました。

(戸本)

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